神戸地方裁判所 昭和54年(ワ)371号 判決
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【判旨】
2 <証拠>によると、次の事実を認めることができ<る。>
(一) 右山下薫が昭和四四年三月一日本件土地の一部を賃借したのは、中古車販売業を営むための自動車置場とするためであり、右契約においても賃借土地の使用目的はガレージに限定されており、その後面積が拡大し、賃借人が被告に変更され、本件賃貸借契約に至つても、右目的自体は変更されることはなかつた。
(二) 清秀は本件土地の一部を右山下に賃貸して間もなくの頃、同人の要請により別紙物件目録(二)の一記載の建物を訴外喜多政義に依頼して建築したが、右建物は既存のブロック塀の一部を壁面として利用した簡易構造の小屋であり、これを山下が洗車場或いは塗装場として使用したが、両者間には地代以外に右建物の賃料として別段の支払をする合意はなく、これを契機に地代が増額されることもなかつた。
(三) 訴外大岩五一は昭和四〇年頃清秀から本件土地の一部である別紙図面(二)の家屋番号七の三の建物の南側部分を賃借し、その頃同所に別紙物件目録(二)の二記載の建物を建築したが、右建物は軽量鉄骨の支柱にビニール板を葺いた簡易構造のものであり、同四七年二月頃右賃貸借契約が終了した際、清秀に対し右建物を贈与した。清秀はそれから間もなく被告に対し、右建物の使用を許容し、被告はこれを塗装場として使用していたが、同四八年七月頃現在位置に移築した上、同目録(二)の一記載の建物と一体のものとして塗装場に使用しているものであり、両者間には地代以外に右建物の賃料として別段の支払をする合意はなく、これを契機に地代が増額されることもなかつた。
右認定事実並びに本件各土地及び建物の面積からすると、本件各建物は、被告が本件土地上で営む中古車販売業のための附随施設にすぎず、本件各建物の使用関係は、独立の賃貸借契約と見ることは困難であり、本件土地の賃貸借契約内容に取り込まれ、不可分一体のものとしてその消長を共にするものというべきである。
(渡部雄策)